レーシングカートのボルトを締め付ける力の説明
ボルトの締め付け
racingkart rain
 
締め付けトルクとは
スパナの場合での説明
左の絵の感じで
F:締め付け力(廻す方向に加えた力)
L:ボルト中心~手で持つ部分までの距離
※トルク(T)=(F)締付力×(L)距離
参考 
:100N(約10Kgf):10cmの場合
 トルクFは1000Ncmまたは10Nmです
トルクレンチの場合
左図はプリセット型トルクレンチです

設定した値になるとカチッとなります
初回は違う値でカチッとなりやすく
試しうちをしてからお使いください

トルクレンチでの締付は正規握り部分を持ちます
締め付けトルクはボルトの呼び径と材質、ネジピッチで決まりますが
 ボルトのネジ込み深さ、タップ側材質、締め付け場所で変わります
 
レーシングカートの場合振動が多く、相手側がアルミも多くあり
 使われる場所によって、適正トルクが変わりますので注意!
※S45Cのボルトを10Tのボルトに交換した場合(ネジ込み側)の強度が
 有りますので、強く締め付けが可能と言うことでは有りません。
 場所によって逆に相手側が壊れたり、歪が出る場合がありますので
 締付は、状況にあわせて適切な締め付けでお願い致します。
 ボルトは強度がある高強度なボルトをお勧めします。

呼び径
サイズ
普通鋼
S45C
kgfcm
7T、8T
 ←→
kgfcm
  9T、10T
  SCM等
  kgfcm
締め付けトルク換算
7T/8Tの記号はボルト頭に記載された
ボルトの強度記号です

M4  16   25     33  1N・m=10.1972Kgf・cm
 
1N・m=0.101972Kgf・m
 
 1kgf・m=9.8067N・m
 1kgf・m=100Kgf・cm

 (左値は標準的な参考値)
M5  30   50     70
M6  53   88    120
M8 127  210    300
M10 250  420    580
   参考ページへ
同じボルトでも締付る商品、年式、型式で、締付けトルクは変わります。
 (下記は参考で、保証するものではありません)
□参考
  ヤマハKTエンジンの場合(締付場所で歪み等もあるので注意)
  ヘッド締め付け力    M8  18N・m(約1.8Kg・m)
  キャブ取り付け部    M6     8N・m(約0.8Kg・m
  プラグ(ネジ径による) M14  20N・m(約2.0Kg・m
  SCダイレクトスプロケ    M12    35N・m(約3.5Kg・m
 -----------
□コマーエンジン
     *クラッチドラムwithスプロケット分部(M10)
       中強度のネジロックを少しつけて30N・m
             (クラッチ側外のボルトは左ネジなので注意)
     *ヘッドボルト M6  9N・m~12N・m
          *ケースボルト M6  8N・m~12N・m(ローター側)
  ※ガスケットが紙で潰れる分緩みますので増締をしてください

※レーシングカートは締め加減で調整する部分も有ります
  締加減がセッティング性能に影響する部分も有ります

※ボルト、ワッシャにグリス等を塗ると同じトルクで締め付けても
  も、表面の摩擦係数が低くなる為、実際には強く締まります。
   (締め付けたトルク値と、閉まった力は同じではありません)


 締め付け場所によりまして、ネジロック、シール剤が必要です。

下記は締付トルクではありません、ボルトの企画と材料の参考です
ボルトに規定されている10の強度区分(参考値)
強度区分 3.6 4.6 4.8 5.6 5.8 6.8 8.8  9.8 10.9 12.9
呼び引張強さ
(N/mm2
300 400 500 600 800 900 1000 1200
最小引張強さ
(N/mm2
330 400 420 500 520 600 800 900 1040 1220
 実際は条件、製造方法、精度で変わりますので参考に記載します
強度
区分
材質、参考
3.6 普通鋼、炭素鋼、SWCHなど
4.6 普通鋼、炭素鋼、SS400、S20C
4.8 炭素鋼、普通鋼SS400相当、SWRCH6R、SWRCH材
5.6 炭素鋼、S45C、S25Cなど
5.8 炭素鋼
6.8 炭素鋼、S45C、SCM432
8.8 炭素鋼(焼入 焼戻合金元素で強化)S45C熱処理強化したSWRCH38K
9.8 SNB7、SCM435、炭素鋼(焼入れ焼戻しや合金元素添加で強化)
10.9 合金鋼、SCM435、SCM440
12.9 合金鋼、SCM435


   最詳しく知りたい方はこちらへ    ボルトページへ